最近当院では、中高生の患者さんが増えてきました。
その中である特徴に気がついたので、今回はそのことについて記してみます。
患者の特徴
・親の過保護・過剰な期待(男子に多い)
・思春期にある(女子に多い)
・性格が真面目(男女差なし)
症状としては、「イライラ感に伴う不眠と肩こり」です。
身体的特徴
・神経過敏(背中を触れられると過度にこそばがる等)
イライラして目がキツくなっているか、不眠により疲れが取れず、疲労感を漂わせているかです。
治療内容
施術の内容としては、主にマッサージとなります。
ほとんどの子が鍼治療未経験であるし、初めて会ったおっちゃんにいきなり「鍼を打つ!」と言われても緊張感が増すだけだと思っているからです。
その代わり、マッサージはトリガーポイントを積極的に狙って押していくので、体の奥に響くような刺激を受けることになります。
この「トリガーポイントを押した時の響く感じ」というのは、マッサージで時々良いところに当たった時にある「あぁ、そこだ」という感じを、全ての指圧で出していくことをイメージしてもらうと良いかと思います。
つまり、押されるところ全部で「あぁソコだ!」という感覚を味わっていただくことになります。
これが続くと体の奥に刺激が響いていくので、「響き」と表現するのです。
具体的には、上記イラストの部分を中心に指圧することが多いです。
本来お灸をする場所ですが、指圧でも同じ効果を出せます。
小さい子供の疳の虫を抑える時によく使用されるツボです。
また
胸鎖乳突筋という筋肉で、正面から見ると左右から二本縦に伸びている筋肉です。
原因と対処法
男の子の場合
男子は、女子に比べて自分の感情の言語化能力が低いため、心に溜め込んでいく傾向にあります。
家で心配したお母さんが「大丈夫?」と聞いても「大丈夫、何もない」と無愛想に帰ってくるような感じです。
あれは、自分の感情をうまく言葉にできないということと、
女性である母親に自分の弱さや気持ちを知られたくない、という「男のプライド」からくる態度でもあります。
また、親の期待に応えないといけないという責任感から、頑張りすぎているように見受けられる場合もあります。
しかし、基本男の子はお母さんが大好きですから、しっかりと二人の時間を作って話し合って子供の声に耳を傾けてあげれば、悩みがあれば打ち明けてくれます。
その為には、
「大丈夫?」
「どうしたん?」
といった抽象的な質問の仕方ではなく
「しんどそうやけど頭痛いの?」
「昨日は眠れた?」
「学校では友達と仲良くできてるの?」
といったように、質問内容を具体的にしてあげると良いでしょう。
質問の答えをYesかNoで答えるクローズドクエスチョン形式で行うことがポイントです。
質問を繰り返し、帰ってきた答えにまたクローズドクエスチョンで返していくと、少しずつ本音がポロリと出てきます。
(この手法は警察官をしていた頃の取調べでもよく使っていました。頭の整理ができていない被疑者に対してYes・No形式で質問をしてやることで、頭の整理をつけさせ言語化を促進することができます。)
女の子の場合
女の子は男の子と違い、自分の考えがしっかりと頭の中で整理されていることが多いです。
ただ、心身のアンバランスさが理性を飛び越えてイライラさせているだけです。
施術を通じて体の疲労感やイライラ感が落ち着いてくると、
「お母さんがいつも心配してくれてるのはわかってる。でも疲れてイライラして当たってしまう」
「お母さんにイライラをぶつけて、それで自分が嫌になって又イライラしてを繰り返して、どうしようもなくなる」
といったリアルな感情を聞かせてくれます。
参考記事はコチラ↓↓↓
対象 中学生女子(今症例は疾患ではないので「患者」という名称は用いません) 状況 中学校2年生の終わり頃から少しずつ反抗期が始まり、母親に 「うるさい!」 「産んでくれなんて頼んでない!」 等の暴言を吐くようになったようです。 […]
女の子をお持ちのお母さんは、二人でお灸をするといいと思います。
お家でお互いにお灸をしあうことでスキンシップにもなり、子供に安心感を与えることができます。
終わりに
男女ともに共通しているのは、
です。
お子さんで不眠や苛立ち等でお悩みの方は、ぜひ一度当院へお立ち寄りください。
施術に立ち会っていただいても構いません。
施術中に子供が少しずつ心を解放していき、素直な言葉を発してくれることも多々あります。
施術に立ち会わなくても狭い院内ですから、私と子供の会話が聞こえてきます。
親には恥ずかしくて面と向かって言えないことを、話してくれます。
それを聞いていないフリをしてそっと聞いてあげてください。
子供の心身がストレスから解放されれば、親御さんたちのストレスも少し解放されるはずです。