はじめに
「最近、夜になるとほてりやのぼせを感じる」「寝汗や口の渇きが気になる」「イライラしやすくなった」——このような症状に心当たりはありませんか?
東洋医学では、これらの症状を 「腎陰虚(じんいんきょ)」 という状態と考えます。
腎陰虚とは、「腎の陰(潤い・冷やす力)」が不足し、体内に熱がこもる状態」 を指します。
特に、更年期以降の女性に多く見られ、ホルモンバランスの変化によって、ほてり・のぼせ・寝汗などの不調が現れやすくなります。
本記事では、腎陰虚とは何か、どのような症状が出るのか、原因や改善方法について詳しく解説します。
腎陰虚とは?
東洋医学では、「腎」は生命エネルギーの貯蔵庫であり、体の水分バランスや成長、ホルモン調整に関わる重要な臓腑です。
「陰」は体を潤し、冷やす働きを持っています。腎の陰が不足すると、体内に熱がこもり、乾燥やほてり、不安定な精神状態を引き起こします。
腎陰虚は 「体内の潤い不足による熱のこもり」 として表れます。
腎陰虚の主な症状
腎陰虚になると、以下のような症状が現れます。
1. ほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)
特に夜間や夕方以降に、体が熱くなりやすく、急に汗をかくことがあります。
2. 寝汗・口の渇き
寝ている間に大量の汗をかく「寝汗」が特徴的です。また、喉が渇きやすく、冷たい飲み物を欲する傾向があります。
3. イライラ・不安感
腎陰虚は精神的な影響も大きく、イライラしやすくなったり、不安を感じることが増えたりします。
4. 皮膚や髪の乾燥
体の潤いが不足するため、皮膚が乾燥しやすく、髪がパサつくことが増えます。
5. めまい・ふらつき
血の巡りが不安定になり、めまいやふらつきを感じることがあります。
6. 便秘になりやすい
腎の陰が不足すると、腸内の潤いも不足し、便が硬くなりがちです。
腎陰虚の原因
1. 加齢による腎の衰え
特に更年期以降の女性に多く見られ、ホルモンの減少とともに腎陰虚の症状が現れやすくなります。
2. 長期間のストレス
過度なストレスは、腎の陰を消耗し、心身のバランスを崩します。
3. 熱を生じる食事の摂りすぎ
スパイスの効いた食べ物や揚げ物、アルコールの過剰摂取は腎陰を消耗し、体内の熱を増やします。
4. 睡眠不足・夜更かし
夜遅くまで起きていると、腎の回復が追いつかず、陰虚の状態が進行しやすくなります。
5. 過度な運動・過労
激しい運動や長時間の労働は、腎の陰を消耗し、腎陰虚の症状を悪化させます。
腎陰虚の改善方法
1. 食事で腎の陰を補う
腎陰を補うためには、以下の食材を積極的に摂ることが効果的です。
✔ 白きくらげ・黒ゴマ・クコの実(潤いを補い、熱を鎮める)
✔ 豆腐・山芋・ナツメ(腎の働きをサポートする)
✔ 梨・スイカ・きゅうり(体の熱を冷まし、潤いを与える)
逆に、スパイシーな食品・アルコール・カフェインの摂りすぎは腎の負担となるため、控えるのが望ましいです。
2. 適度な運動で腎の陰を守る
腎陰虚の人は、激しい運動よりも、ゆったりとした運動が適しています。
おすすめの運動:
- ゆったりとしたストレッチやヨガ
- 気功・太極拳
- 軽めのウォーキング(涼しい時間帯に)
3. ツボ刺激で腎の陰を補う
東洋医学では、ツボ刺激によって腎の陰を補い、ほてりを鎮めることができます。
✔ 太渓(たいけい)(内くるぶしのやや後方) → 体の潤いを補い、熱を冷ます
✔ 三陰交(さんいんこう)(内くるぶしから指4本上) → ホルモンバランスを整える
✔ 陰谷(いんこく)(膝の裏の内側) → 腎の陰を補い、ほてりを抑える
これらのツボを1日数回、軽く押すことで腎陰虚の症状が和らぎます。
まとめ
腎陰虚は 「腎の潤いが不足し、体に熱がこもる状態」 であり、ほてり・のぼせ・寝汗・乾燥などの症状が現れます。
✔ 食事・運動・ツボ刺激を組み合わせることで、腎陰を補い、体内の熱を鎮めることが可能です。
✔ 慢性的な症状が続く場合は、鍼灸治療を活用することで、より効果的に腎の働きを改善できます。
東洋医学の知恵を活かして、腎陰虚を改善し、快適な毎日を送りましょう。
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