春の季節と東洋医学—気圧変化と自律神経への影響、木の芽時の体調管理

はじめに

春は寒暖差が激しく、環境の変化も多い季節です。

東洋医学では、春は「肝」の季節とされ、気が活発に動き出す時期ですが、気の流れが乱れると体調不良を引き起こしやすくなります。

また、「木の芽時（きのめどき）」という言葉があるように、春先には自律神経のバランスが崩れ、心身ともに不安定になりがちです。

さらに、春は低気圧や気温の変動が大きく、これが自律神経に影響を与え、不安感や疲労感を引き起こすことが科学的にも知られています。

本記事では、春の季節に起こる体調不良の原因とその対策、東洋医学の視点からのセルフケア方法を詳しく解説します。

春の東洋医学的な考え方—「肝」との関係

春は「肝」の季節

東洋医学では、春は「肝」が活発になる時期とされています。「肝」は気（エネルギー）の流れを調整する役割を持ち、感情のコントロールや血の巡りにも関与しています。

肝が乱れると現れる症状:

• イライラしやすい、怒りっぽくなる
• 不安、自信喪失、焦燥感が現れる
• 気分の浮き沈みが激しくなる
• 頭痛やめまいが増える
• 目の疲れ、かすみ目
• 肩こり、首のこり

木の芽時と自律神経の乱れ

「木の芽時」とは、春先に起こる心身の不調を指す言葉です。この時期に体調を崩しやすいのは、寒暖差や気圧変動によるストレスが自律神経に影響を及ぼすためです。

木の芽時に起こる主な症状:

• なんとなく不安感が強くなる
• 眠りが浅く、夢を多く見る
• 朝起きるのがつらい
• めまいや立ちくらみ
• 消化不良や胃もたれ

春に心身の不調が増えるのは、単なる気のせいではなく、自律神経の変動によるものなのです。

科学的に見る気圧変化と自律神経の関係

気圧の変動とは？

気圧とは、大気の重さによって生じる圧力のことです。春は低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わるため、気圧の変動が激しい季節といえます。

なぜ気圧の変化が自律神経に影響を及ぼすのか？

人間の耳の奥にある「内耳」は、気圧の変化を感知するセンサーの役割を持っています。気圧が急に下がると、内耳がその変化を脳に伝え、自律神経のバランスを整えようとします。

具体的には、交感神経と副交感神経の切り替えを促し、血管の収縮・拡張を調整したり、心拍数や血圧を一定に保とうとする働きをします。

しかし、急激な気圧の変化によりこの調整機能が追いつかない場合、自律神経が乱れ、めまいや頭痛、不安感といった症状が現れることがあります。

しかし、自律神経の調整機能が追いつかない場合、交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、体調不良が起こるのです。

気圧変化による具体的な影響:

• 気圧が低下すると血管が拡張し、頭痛やめまいが起こりやすくなる
• 内耳の圧力調整がうまくいかず、耳鳴りやふらつきを感じる
• 交感神経の働きが乱れ、不安感や焦燥感が増す

特に、気圧の変化が大きい春先は、自律神経が過剰に反応し、不安感や疲労感を引き起こしやすいのです。

春の過ごし方とセルフケア

1. 食事のポイント—「肝」を整える食材を摂る

春は「肝」をサポートする食事を意識することが大切です。

✅ 気の巡りを良くする食材:

• セロリ、春菊、ミント、シソ（香りの良い野菜）
• 酸味のある食材（レモン、梅干し、お酢）
• しっかり噛んで食べることで、消化を助ける

✅ 控えるべき食材:

• 脂っこいものや甘いもの（気の巡りを滞らせる）
• アルコールの過剰摂取（肝の負担を増やす）

2. 生活習慣—朝の活動を意識する

春は「陽気」が上昇する時期なので、朝早く起きて軽く体を動かすことが肝の働きを助けます。

✅ 春の生活習慣のポイント:

• 朝起きたら日光を浴びる（体内時計を整える）
• ストレッチや軽いウォーキングを行う
• 深呼吸を意識し、リラックスする時間を持つ

3. ツボ押し・お灸で自律神経を整える

春におすすめのツボを押すことで、自律神経のバランスを整えることができます。

✅ 「太衝（たいしょう）」（足の甲にあるツボ）

• 肝の気を整え、イライラやストレスを鎮める
• 目の疲れ、肩こりにも効果的

✅ 「内関（ないかん）」（手首の内側にあるツボ）

• 自律神経の調整を助け、不安感を和らげる
• 乗り物酔いや吐き気にも効果がある

まとめ

春は「肝」の働きが活発になり、自律神経が乱れやすい季節です。「木の芽時」には特に、気圧の変化や寒暖差の影響で、体調不良や不安感を感じることが増えます。

この時期の不調を防ぐために、 ✅ 「肝」を整える食事を意識する ✅ 朝の活動を増やし、体を動かす ✅ ツボ押しやお灸で自律神経をケアする

といった対策を取り入れましょう。春の自然のリズムに合わせた生活をすることで、心身ともに健やかに過ごすことができます。

当院のご案内

医院名	スクナビコナ鍼灸院　奈良学園前
所在地	〒631-0022 奈良市鶴舞西町20201207−２２FUN２階
TELL	070-8404-5297
受付時間	１０：００〜２3：００
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診療項目	はり／灸／整体／小児はり
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