歯痕舌(しこんぜつ)とは?東洋医学から見る原因と改善法
あなたの舌、大丈夫?
朝、鏡で舌を見たときに 「舌の縁がギザギザしている」「歯の跡がついている」 と感じたことはありませんか?
東洋医学では、これは 「歯痕舌(しこんぜつ)」 と呼ばれ、体の不調のサインと考えられています。
今回は歯痕舌の特徴や原因、そして 改善のためのセルフケア まで詳しく解説していきます。
歯痕舌とは?特徴と見分け方
歯痕舌の特徴
- 舌の縁にギザギザした歯の跡がある
- 舌が腫れぼったく、むくみやすい
- 舌の色が薄い(淡白〜淡紅色が多い)
- 舌苔が薄白〜厚めの白苔がある(湿気が多いタイプ)
- 舌が水っぽく、弾力が弱い
歯痕舌は 体内の水分代謝が悪く、むくみやすい体質 の人に多く見られます。
歯痕舌があるとどんな不調が?
歯痕舌の人は 「気虚・脾虚・湿邪」 の影響を受けやすく、次のような症状が出やすいです。
気虚とは 「エネルギー不足」 の状態を指し、体を動かす基本的な力(気)が足りないことを意味します。
✅ 症状:疲れやすい、息切れ、食欲不振、風邪をひきやすい
✅ 原因:過労、栄養不足、消化機能の低下
✅ 対策:温かい食事(山芋・鶏肉・もち米)を摂り、適度な運動で気を補う
脾虚は 「胃腸の弱り」 を指し、食べ物の消化・吸収がスムーズにできない状態です。
✅ 症状:食後の胃もたれ、軟便・下痢、顔色が悪い、倦怠感
✅ 原因:冷たい飲食の摂りすぎ、ストレス、暴飲暴食
✅ 対策:胃腸を温める(生姜・ナツメ・かぼちゃ)、消化の良い食事を心がける
湿邪とは 「体に余分な水分が溜まること」 を指し、代謝が悪くなり、むくみや冷えを引き起こします。
✅ 症状:むくみ、体の重だるさ、関節の痛み、頭がぼんやりする
✅ 原因:湿気の多い環境、冷たい飲み物の摂りすぎ、運動不足
✅ 対策:温かい食事(ハトムギ・とうもろこし・生姜)で余分な水分を排出
こんな症状があるかも…
- 朝起きると 顔やまぶたがむくむ
- 手足が冷えやすい、または重だるい
- 体がだるく、疲れやすい
- 胃腸が弱く、食後にお腹が張る
- 下痢や軟便になりやすい
- めまいやふらつきがある
- 湿気の多い季節に体調を崩しやすい
体の 「気(エネルギー)」が不足し、余分な水分が溜まりやすい状態 になっている可能性があります。
歯痕舌になりやすい体質とは?
こんな人に多い!
- 胃腸が弱い(脾虚) → 食べたものをしっかり消化吸収できない
- 疲れやすい(気虚) → 体に活力がなく、水分代謝が悪い
- むくみやすい(湿邪) → 体の余分な水分をうまく排出できない
- 冷え性 → 体が冷え、血流が悪くなる
- 水分摂取が多すぎる → 代謝が追いつかず、体がむくみがち
このような体質の方は、「胃腸を強くし、水分代謝を良くする」 ことが大切です。
簡単にまとめると
✅ 胖大舌 → むくみが強く、舌全体が腫れる。腎陽虚・水分代謝低下が原因
✅ 歯痕舌 → 舌の縁に歯の跡がつく。気虚・脾虚によるエネルギー不足が原因
つまり、胖大舌は水分代謝の問題が強く、歯痕舌はエネルギー不足(気虚)の問題が強いという違いがあります。
🔹 胖大舌の人は → 体を温めて水分代謝を改善するケアが必要
🔹 歯痕舌の人は → 消化機能を高め、気を補うケアが必要
東洋医学的な改善法
鍼灸治療(補気・健脾・化湿)
気虚・脾虚タイプ(疲れやすく、胃腸が弱い)
足三里(ST36):胃腸を整え、気を補う
脾兪(BL20):脾の機能を高め、消化吸収を促進
中脘(CV12):胃の働きを改善し、食欲を調整
関元(CV4):元気を補い、冷えを改善




湿邪タイプ(むくみが強い)
陰陵泉(SP9):水分代謝を促進し、むくみを解消
三陰交(SP6):血と水の巡りを改善
水分(CV9):体内の余分な水分を排出
腎兪(BL23):腎の働きを助け、むくみを防ぐ




セルフケア方法(食事・ツボ・生活習慣)
食事療法(補気・健脾・化湿)
胃腸を整える食材(補気・健脾)
- 山芋・かぼちゃ・大豆・もち米
- 鶏肉・卵・さつまいも・ナツメ
補気とは、「気(エネルギー)を補い、体を元気にすること」 を意味します。
気が不足すると 疲れやすい、息切れ、免疫力低下 などの症状が出やすくなります。
健脾とは、「脾(胃腸)の働きを整え、消化吸収力を高めること」 を指します。
脾の機能が弱ると 食欲不振、胃もたれ、軟便・下痢、疲れやすさ などが起こります。
水分代謝を促す食材(化湿・利水)
- ハトムギ・小豆・とうもろこし
- しそ・しょうが・ねぎ・大葉
- 白身魚・冬瓜・きゅうり(冷えが強い場合は控えめに)
化湿とは、「体内に溜まった余分な湿気(湿邪)を取り除くこと」 を指します。
湿気が多いと 体が重だるい、胃もたれ、頭がぼんやりする などの症状が現れます。
利水とは、「体内の余分な水分を排出し、むくみを改善すること」 を指します。
水分代謝が悪くなると むくみ、冷え、下痢、関節の痛み などが起こります。
避けたい食べ物
- 冷たい飲み物・生野菜・南国フルーツ(バナナ・マンゴー)
- 脂っこいもの(揚げ物・ラーメン)
- 甘いもの(砂糖の多いお菓子)
- 水分の摂りすぎ(こまめに飲む程度でOK)
お灸・温活
- 三陰交・足三里・脾兪にお灸
- 腹巻き・カイロでお腹や腰を温める
- 足湯(生姜・塩入り)を毎晩行う
ライフスタイル改善
- 朝食をしっかり食べる(特に温かい食事)
- 軽い運動(ウォーキングやストレッチ)で気血を巡らせる
- 長時間の座りっぱなしを避け、こまめに動く
まとめ
- 歯痕舌は「気虚・脾虚・湿邪」のサイン
- むくみ・疲れやすい・冷え・胃腸の弱さが特徴
- 治療では「補気・健脾・化湿」を中心に行う
- 食事や生活習慣で、胃腸を整えつつ水分代謝を改善することが大切
毎日のちょっとしたケアで、体調を整えていきましょう!
参考:歯痕舌・胖大舌と似た症状を持つが、原因が異なる舌の種類
舌の種類 | 主な原因 | 共通する症状 | 違い(プロセス) |
---|---|---|---|
歯痕舌 | 気虚・脾虚 | むくみ・冷え・疲れ | 気の不足による消化機能低下 |
胖大舌 | 脾虚・腎陽虚 | むくみ・冷え・胃腸の不調 | 水分代謝の低下が主な原因 |
淡白舌 | 気血不足 | 冷え・疲れ・顔色が悪い | 血の不足(血虚)が主な原因 |
紫舌(瘀血舌) | 瘀血 | 冷え・しびれ・血行不良 | 血の巡りが悪く、血流が滞る |
絳舌 | 陰虚火旺 | ほてり・乾燥・冷えのぼせ | 体内の潤い不足で熱がこもる |
当院のご案内
医院名 | スクナビコナ鍼灸院 奈良学園前 |
所在地 | 〒631-0022 奈良市鶴舞西町20201207−22FUN2階 |
TELL | 070-8404-5297 |
受付時間 | 10:00〜23:00 |
休診日 | 不定休 |
診療項目 | はり/灸/整体/小児はり |
駐車場 | 有り(1台)![]() |
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