はじめに
「慢性的な疲れ」「冷えやほてり」「めまいや不眠」——このような不調に悩んでいませんか?
東洋医学では、こうした症状は「虚証(きょしょう)」に分類されます。
虚証とは、体のエネルギーや栄養が不足し、生命活動が正常に機能しない状態を指します。
虚証にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる原因や症状が現れます。
例えば、気(エネルギー)が足りない「気虚」、血(栄養)が足りない「血虚」、体の潤いが不足する「陰虚」、体を温める力が低下する「陽虚」などがあります。
また、これらの虚証が組み合わさることで、さらに複雑な症状が発生することもあります。
本記事では、虚証の基本概念から、それぞれの種類、派生する症状、改善方法について詳しく解説します。
虚証とは何か?
東洋医学では、健康を維持するためには「気」「血」「津液(体の水分)」「陰陽」のバランスが重要と考えられています。
これらが不足すると、体の働きが低下し、様々な不調が現れることになります。
虚証の基本的な考え方
- 気虚(ききょ) → 体のエネルギー不足、疲れやすい、風邪をひきやすい
- 血虚(けっきょ) → 血の不足、めまいや不眠、肌の乾燥
- 陰虚(いんきょ) → 体の潤い不足、ほてりや寝汗、口の乾き
- 陽虚(ようきょ) → 体を温める力が不足し、冷えやむくみ、消化不良
虚証は、栄養不足、過労、ストレス、加齢、生活習慣の乱れなどによって引き起こされます。
また、気・血・陰・陽のバランスが崩れると、それぞれの虚証が影響し合い、より複雑な症状が発生します。
虚証の派生(組み合わさることで起こる症状)
虚証は単独で存在することもありますが、複数の虚証が組み合わさることで、より深刻な不調が現れることがあります。
以下に、代表的な虚証の組み合わせと、その症状を簡単に紹介します。
- 気血両虚(きけつりょうきょ) → 気と血が両方不足し、極度の疲労、めまい、肌荒れが出る
- 気陰両虚(きいんりょうきょ) → 乾燥と疲れが重なり、喉の渇きや息切れ、消耗感が強い
- 血虚陽虚(けっきょようきょ) → 血と陽の不足で、冷えや貧血、倦怠感が増す
- 血虚陰虚(けっきょいんきょ) → 血と陰が不足し、乾燥・不眠・肌荒れ・ホルモンバランスの乱れが起こる
- 陽虚寒湿(ようきょかんしつ) → 体が冷え、むくみや関節の痛みが出る
- 陽虚水滞(ようきょすいたい) → 水分代謝が悪化し、むくみや冷えがひどくなる
- 津液不足(しんえきぶそく) → 体の水分不足による乾燥や便秘
「今はこんな分類があるんだな」と軽く理解する程度で大丈夫です。自分の体調と照らし合わせながら、どの虚証に当てはまりそうかを見てみましょう。
虚証の種類と特徴
気虚(ききょ) – エネルギー不足
症状:
- 疲れやすい
- 息切れしやすい
- 声に力がない
- 風邪をひきやすい
血虚(けっきょ) – 血の不足
症状:
- 顔色が青白い
- めまい、立ちくらみ
- 不眠、夢をよく見る
- 肌や髪の乾燥
陰虚(いんきょ) – 体の潤い不足
症状:
- ほてり、寝汗
- 口や喉の渇き
- 肌や髪の乾燥
- 便秘になりやすい
陽虚(ようきょ) – 体を温める力の不足
症状:
- 手足の冷えが強い
- 疲れやすい
- むくみやすい
- 消化不良、下痢をしやすい
虚証を改善する方法
1. 食事で補う
- 気を補う: もち米、大豆、ナツメ、鶏肉
- 血を補う: レバー、赤身肉、クコの実、ほうれん草
- 陰を補う: 白きくらげ、豆腐、ハチミツ、梨
- 陽を補う: 羊肉、ニンニク、生姜、シナモン
2. 適度な運動と休息
- 朝のウォーキングやストレッチ
- 睡眠をしっかりとる(特に血虚・陰虚の人)
- 無理をせず、自分のエネルギーを蓄える
3. ツボ押しやお灸
- 気虚: 足三里(あしさんり)
- 血虚: 三陰交(さんいんこう)
- 陰虚: 太渓(たいけい)
- 陽虚: 関元(かんげん)
まとめ
虚証は、気・血・陰・陽の不足によって起こる不調の総称です。それぞれ単独で発生することもあれば、組み合わさって症状が複雑化することもあります。
改善には、食事・運動・ツボケアをバランスよく取り入れることが大切です。
もし長引く不調がある場合は、鍼灸治療を受けるのも一つの方法です。
まずは、自分の体調を見直し、無理なく取り入れられるセルフケアから始めてみましょう。
当院のご案内
医院名 | スクナビコナ鍼灸院 奈良学園前 |
所在地 | 〒631-0022 奈良市鶴舞西町20201207−22FUN2階 |
TELL | 070-8404-5297 |
受付時間 | 10:00〜23:00 |
休診日 | 不定休 |
診療項目 | はり/灸/整体/小児はり |
駐車場 | 有り(1台)![]() |
アクセス | 近鉄学園前駅から徒歩10分 |
院の内観 | 内観写真はこちら |
LINE連絡 | 公式LINEで相談する |
WEBご予約 | Webで予約する |