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野球部少年によるホームレス男性殺人事件の判決について考える

岐阜県において発生の、野球部少年によるホームレス男性殺人容疑事件について、「傷害致死罪で主犯の少年を起訴、取り巻きの少年は不起訴」としたというネットニュースを見ました。

ここで、「なんで殺人罪じゃないの!?」という疑問と、検察と警察の間でされたであろうやりとりを元刑事の視点で書いてみたいと思います。

難しい言葉や用語、は極力排除します。

殺人罪とは?

殺人罪とは、刑法199条に定められており、
殺意を持って人を殺めた場合」に適用されます。

赤色アンダーラインの部分が重要です。

つまり、「殺すつもりで人を殴って、結果、相手が死んだ場合」は殺人罪です。

これを「殺人の故意」といいます。

つまり、「人を殺すという意思、気持ちのこと」です。

この「殺人の故意」がなかった場合、殺人罪は成立しません。

「殺すつもりがないのに、人が死ぬ、殺されるなんてことがあるの!?」
と思うかもしれません。

それが、今回の事件で適用された
傷害致死罪』です。

他に、殺人の故意なく、人を死にいたらしめた場合に適用される罰条は
「過失致死罪」があります。

これは、「うっかり死なせてしまった」場合に適用されます。
今回の件では適用されていませんので、割愛します。

傷害致死罪とは?

傷害致死罪とは、
「人を傷つける目的で暴行行為を行い、実行者の意思とは関係なく、被行為者が死んでしまった場合」
に適用される罪です。

例えるなら
「Aは普段から人気者のBに嫉妬心を持っていました。ある日Aは『アイツがムカつくから殴ってこらしめてやろう。そうすれば大人しくなるだろう』と思い、路地裏に呼び出した後、手拳でBの頭部を数発殴打した。結果Bは意識混濁の後、死亡した。」

という事件の場合、Aの内心には「Bを殺す」という意思はありません。
「Bに対する暴行の故意は認められるものの、殺人の故意は認められない」状態です。

この状態で死亡という結果が発生した場合に適用されるのが、今回の障害致死罪です。

被疑者の内心で罪が変わるの?

え!?人の内心で罪が変わるの!?と思った方がおられるのではないでしょうか?

そうなんです。変わるんです。
だから警察は取り調べにおいて「自白」を欲しがるんです。

警察官は逮捕、取り調べ、送致までが仕事ですので、検察が重視する「有罪率」にはあまり関心がありません。
今回の件でも、警察は当然「殺人罪」で送致したかったはずです。

しかし、取り調べにおいて被疑者から「殺すつもりで石を投げました」という自白が得られず
「石を男性に投げたのは間違いありません、でも殺すつもりはなかったんです」
と供述を通されれば、上記の「殺人の故意」が得られず、傷害致死罪で立件する他なかったのかもしれません。

弁護士の働き

弁護士は担当した者を無罪、もしくは罪を軽くすることが仕事です。

この案件を担当することになった場合、すぐさま思いつくのは
「暴行行為は認めなさい、でも殺意は否認しなさい」
というアドバイスです。

これしかありません。

今回の事件では、被害者の男性は被疑者少年による投石という行為により「死」という結果になってしまっています。
これは覆せない発生してしまった事実です。

そうなると弁護士は
投石行為という無視できない実行行為がある、野球部で集団行動を行えている以上、心神喪失、心神耗弱による免罪、減刑は難しい。」
と考えるでしょう。

すると後は
殺人罪さえ免れれば、後はかすり傷みたいなもの。殺人の故意を否定させれば、集団で遊び半分でやっていて、死ぬとは思わなかったという供述で、傷害致死に落とせる
と考えるのは、当然と言えるかもしれません。

事実、そうなってしまっています。

 

一事不再理が軽い刑を助長している?

 

刑法には一事不再理という原則があります。

「一度確定した判決がある場合、その事件について再度裁判をすることを許さない」というものです。

今回の事件のことでいうと、警察も検察も内心は「このクソガキ、地獄へおちろ」と思っています。

しかし、殺人罪で起訴して、裁判所に
「被告人に殺人の故意がない以上、殺人罪は認められない」
となれば、無罪となってしまいます。

この事件において一度無罪と判決が出てしまうと、
「じゃあ次は傷害致死でもう一度裁判をお願いします」
とはできなないのが、一事不再理の原則です。

殺人罪で起訴して、殺人罪は認められなかったが、傷害致死で決まった、とはならないのです。

殺人罪で起訴したのであれば、その裁判は
「殺人罪が成立するか、否か」
の二者択一です。

その他の罪に当たるかどうかは関係ありません。

ですから、
殺人罪で起訴して負けた場合、無罪となってしまう。。。
それならば、有罪が固い傷害致死で起訴しよう
となったのは間違いありません。

裁判所の体制は今後も変わらない

裁判所の判決は前例踏襲がほとんどです。

「過去の判例でこれくらいの罪だと、これくらいの刑罰になっているから今回も同様で。」

というものです。

今回の事件も痛ましい事件ですが、裁判所は過去にあった似たような事件を見つけ出し、起訴される前からあらかたの流れは決めていたでしょう。

情勢や感情に流されないという点は非常に素晴らしいところではありますが、あまりにも前例踏襲が過ぎるのではないかとも思います。

前例にならうだけなら、難しい司法試験を通らずとも、機械でできる作業と同じではないでしょうか。

おわりに

今回の事件は非常に痛ましい事件です。

社会的反響も大きかった事件ですが、これが現在の日本の法律の短所を再度洗い出した事件とも言えます。

民意としては
「結局少年法は何も変わっていなかった。被害者が浮かばれない。こんなことをするガキが更正なんかするわけがない」
ではないでしょうか。

まさにその通りだと思います。

政治的な話はあまりしたくありませんが、法律の改正も推し進めてほしいと切に願います。

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